アノマロさーん!スタバでラテ飲みながら作業してたらこぼしちゃって動かなくなりました!
明日卒論提出なんです!なんとかしてください!
それは・・・むり・・・むりむりかたつむり・・・
パソコンが壊れたときに受けるダメージは3つ。「今がんばっていた作業が無に帰した辛さ」「貯めこんでいたデータが無に帰した(かもしれない)辛さ」そして「新しいパソコンを買わなければならない金銭的な辛さ」です。
この3つのうち、データについては「クラウドサービスを利用して必ずバックアップをとる」ことで回避できます。残りの2つのうち「今がんばっていた作業が無に帰した辛さ」は自分でなんとかするしかありませんが、お金の問題については適切な保証に入っていればある程度は回避が可能です。
というわけで、ここでは4年間心置きなくパソコンを使い倒すための保証について考えてみます。
目次
パソコンにつけられる保証について
メーカー保証の延長保証
通常のメーカー保証は1年間。
同じパソコンを4年間使い倒すつもりであれば、4年間の保証=1年間のメーカー保証+3年間の延長保証が必要です。
これはメーカー直販サイトであればほぼ間違いなくつけられますし、大手の家電量販店でも(ポイントを利用して)つけられます。ただ、保証の対象が「自然故障のみ」であることに注意が必要です。
物損故障の保証
大学生で新しくパソコンを買う場合、自宅でも使うけれど大学やカフェにも持ち出して使うことを考えているはず。その場合、壊れるリスクとして高くなるのは「落とした」「飲み物をこぼした」です。これらの故障は「物損故障」(=うっかりミスで壊しちゃった)といって、通常のメーカー保証の範囲である「自然故障」(=何も悪いことはしていないのに動かなくなった)とは異なります。
大学で学生のサポートをしていると、「ゼミで発表しようとしていたら、教室の机に躓いてパソコンを落として壊した」「コーヒー飲みながらレポートを書いていたらうっかりこぼして動かなくなった」という悲鳴を本当によく聞きます。もちろん有償になりますが、できれば4年間の「物損故障」に対応した保証をつけておくのがお勧めです。メーカー直販では多くの場合プランが用意されていますし、ネットショッピングの際に延長保証と一緒につけられることもあります(SOMPOワランティ・楽天あんしん延長保証など)。
ちなみに一言で「物損故障対応」といっても内容は会社によってまちまちです。「1年目は購入全額保証だけれど経過とともに保証額が下がる」「1回10万円まで、回数上限なし」「修理金額合計15万円まで」など、さまざまなパターンがありますので、入るときにはきちんと確認しましょう。
盗難時の保証
パソコンを入れたカバンごと盗まれたらどうしよう。そんな不安をカバーするには、物損故障とはまた別に、盗難対応の(=盗まれたときに代替機を補償してくれる)保証をつける必要があります。でも、盗難対応の保証をつけられるのはメーカー直販でもかなりレア。PanasonicやHPなど、僅かしかありません。ではどうするか・・・。
実は「日数限定」「金額限定」でよければ、備える方法があります。
1つ目はクレジットカードに付帯する「ショッピングプロテクション」。まずノートパソコンが保証対象に入っているカード(イオン・アメリカンエクスプレス・ダイナース)で購入した場合に限りますし、日数も90日~180日と短いですが、少なくとも「買ってすぐに盗まれた、もう一度買うお金はないって親に言われた・・・」という事態は避けられます。ご両親を含め該当するカードをお持ちの方ならば、利用を考えてみるのもよいのでは。下に引用したダイヤモンド社の記事によると、イオンカードが最強だそうです。
「イオンカード」のショッピング保険「ショッピングセーフティ保険」は、購入から180日と、ほかのクレジットカードよりも2倍近く補償期間が長いのが特徴です。さらに自己負担額も0円です。
なお、アメリカンエクスプレスであれば5000円の保険料で購入後365日まで保証を伸ばせるプラン「動産総合保険ショッピング・プロテクション®・ワイド」があるようです。
2つ目はアスキーカードというクレジットカードに付帯する「パソコン・タブレット保険」。1500円程度の年会費が必要で、保証の上限金額は10万円、かつ年ごとに保証額は下がっていきますが、複数年にわたって保証されるのはポイントが高いです。残念ながらスマートフォンは対象外ですが、何台でも保証されるので、ご両親がデジタルガジェット好きならお勧めしてみるのもありかも。
3つ目は「モバイル保険」という独立した保険。月額700円で3台まで加入できます。本来は物損故障対応の保険で、1台は年10万円まで、2台は年3万円まで修理費を保証してくれるものなのですが、盗難時にはその25%を補償してくれます。補償金額が2万円ちょっとなのでたいした金額ではないんですが、もらえるだけありがたいですよね・・・。
いずれにせよご両親の理解と協力が必要なので、まずは相談してみてください。
ちなみに「盗難保険」の場合、「置き引き」、つまり「テーブルに置いたままトイレに行ったら、その隙に盗まれた」場合には対象にならないことがあります。
加入前にはきちんと対象範囲を確認しておきましょう。
紛失時の保証
盗難であればまだ対応しているプランがあるのですが、紛失については「故意か過失か判断できない」ためか、メーカー直販で対応しているところはありません。
唯一対応しているのが「アメリカンエクスプレス」カード会員とその家族が加入できる「持ち物まるごと保険「プロテクト YOU」」。月980円または1850円かかりますが、紛失時にはそれぞれ年10万円・20万円まで補償が受けられます(自己負担額あり)。
でも紛失のためだけにクレジットカードを、それもかなり年会費のかかるカードに入ってさらに保険をつけるのはハードルが高いですね・・・。あくまで「もしご両親がすでにご利用だったらオマケで入れてもらえないか」相談してもよいかな?というレベル。正直なところ、これに入るような人ならパソコンの買い替えに困るようなことはないと思います・・・。
結局、どうすればいいの?
保険というものは「かければかけるほどお金がかかる」もの。
安心を取るか、それとも費用を取るか。どちらか、というよりは「どちらもそれなりに」考えておくことが必要かな、という気がします。
というわけで、まず私自身が買うとしたらどうするか、で考えてみます。ひとつの例として参考にしてください。
紛失時の保証は諦めるけど盗難時の保証は欲しい場合
盗難補償を目当てにノートパソコンをHP(ヒューレットパッカード)で購入し、物損+盗難付きの保証を付ける。HPは物損保証が修理費累計15万円までの対応なのですが、本体価格が10万前後なので悪くないと思います。パソコンのロゴがちょっと気に入らないけど、盗難の保証を優先して諦めます。
ヤダヤダ!今回は10万円くらいのNECのパソコンがほしいんだい!という場合には・・・「アスキーカード」に加入しつつ、でも普段使っているクレジットカードで買ってポイントを貯めます。アスキーカードの保険は別のカードで買っても有効なんですよね。補填率は7割に減ってしまいますが、どのみち万が一の時の備えだと割り切るのならアリかな。さらに「モバイル保険」にも別途で入っておこうかなと思います。スマートフォンのAppleCare、切れてるんですよね・・・。
もっと高い、たとえば15万円を超えるようなパソコンを買う場合には、イオンカードで買うのもアリかな・・・。年会費無料っぽいので入ってみてもいいかも?とも思うんですが、普段使わないカードを増やすと盗まれたときに困るらしいので悩み中です。
盗難時の保証は諦めるけど物損保証は欲しい場合
メーカー直販であれば大抵は物損保証がつけられますが、たとえば富士通などでは3年保証しか用意されていないので、残り1年分は諦めるか、または前述のとおりアスキーカードの「タブレット・パソコン保険」や「モバイル保険」を併用するのが良さそう。この2つの保険については「中古品であっても適用可能(モバイル保険は3か月の保証がついている必要あり)」なので、うまく使うと安く安心が保証されそうです。
通常の市販品(新品)であればSOMPOワランティや楽天あんしん延長保証に対応しているネット通販の会社で購入して保証をつけるのがよいと思います。SOMPOワランティについては、価格.comで欲しいパソコンを検索して扱っているショップのリストを見て「延長保証」のマークを確認して、さらに保証内容のページまで確認してください。「延長保証」と書いてあっても「物損対応」していない場合がたまにあります・・・。
おまけ:盗難にあわないために
ノートパソコンの窃盗は、基本的には換金=「売り払ってお金に換えること」が目的です。
つまり「これは売れないな~」という状態にしてしまえば、盗まれるリスクは低くなります。
というわけでノートパソコンを買ったら、お好みのステッカーをベタベタと貼りまくってください。貼っても各種保証は問題なく受けられますので、心置きなく貼りまくりましょう。今は貼りなおせるステッカーもいろいろ売っていますので、位置を試しながら貼るのも簡単です。
ただ「大学名や学科や名前がわかるような」ステッカーはやめましょう。あくまで「どこの誰が使っているかわからない、よくわからないシールが貼ってあってとても売れない」ノートパソコンに仕上げるのがポイントです。
そんなことしたくない!盗まれてもお金戻ってくるし!って思う学生さんがいるかもしれません。でも実際にパソコンが盗まれたときには「警察に110番して」「調書を取られて」(場合によっては店に鑑識が来て)「被害届を出して」・・・という手続きが必要になります。とても面倒ですが、その被害届の「番号」がないと盗難補償は受けられないんです。被害届を出すまでの時間、保険がおりるまでの時間、新しいパソコンが買うまでの時間・・・失われてしまう時間の価値は、もしかしたら盗まれたノートパソコンそのものよりも大きいかもしれません。
まずは盗まれないこと、盗まれる可能性をできるだけ低くすることを考えましょう。
文系学部しかない女子大学の情報系部門に勤務しています。
学生さんからの相談をもとに、ノートパソコンの買い方、Officeのプラン、便利なサービス、女子大生向けのセキュリティ対策ポイントなど、いろいろまとめていきますので、参考にしてもらえるとうれしいです。
質問などあればこちらまでどうぞ。